スーツケース各モデルで最大の特大サイズはオススメできない

スーツケースのサイズ選びって結構迷いますよね。
短期渡航なら小型、長期渡航なら大型。どちらが良いのやら?
まあ、迷ったら一番大きいサイズを買っておけば、どんな渡航でも使いまわせて便利ですよね。

ちがーーーう!
それは大きな間違いです。巨大サイズは百害あって一利なし。
どういうことなのか今から説明するからよく聞いてください。

スーツケースの売れ筋サイズは、大きめのモデルに集中しています。

一番人気があるのは1週間前後の渡航に最適な70リットル前後ですが、次点でモデル最大モデルの157センチ(100リットル前後)が売れるのです。

お店に並んでいても売れるのはほとんどが70リットル以上で、50リットル以下のものはほとんど動きません。

実際、空港や大きな駅などで見かけるサイズも、70リットル以上が多いように感じます。

日本に限っていえば、70リットル以上のハードケースが圧倒的に多いように感じます。ソフトタイプのキャリーバッグはほとんど見かけませんね。

実際、長期の旅行まで対応でき、短期の渡航でも大きな邪魔になることのない70リットル前後が一番使い勝手が良いので、人気なのも頷けます。

複数サイズ購入、保管して、使い分けることの出来る環境にある方なら使い分けが一番ですが、一つサイズを選べと言われれば70リットル前後のものになるでしょう。

旅慣れた方だともう一回り小さい50~60リットルのものでも十分ですが。

70リットル前後が人気なのはよく分かるのですが、90~100リットル前後の特大サイズが同じくらい人気なのは、少し理解が出来ません。

おそらく大は小を兼ねるということで、迷ったら一番大きい物を買っておけば大丈夫だろうという発想なのだと思いますが、大きなものにはデメリットも多いことを知っておく必要があります。

私のように日常から様々な種類・大きさの旅行カバンに触れている人間からすると、100リットル近い特大のスーツケースは絶対におすすめできません。

このページのポイント

70リットル前後と並んで、100リットル前後の特大は人気がある
157センチで100リットル前後の特大は絶対おすすめできない
段差や階段や石畳などがあるので、大きいと移動の際に予想以上の負担
最大の問題は壊れ易いこと。同じモデルでも最大サイズは圧倒的に壊れる

特大サイズとはどの程度の大きなのか

ここでいう各モデルの最大の大きさである特大とは、縦×横×奥行の3辺の和が157センチの規格に収まるように作られた大型のスーツケースのことです。

なぜ157センチなのかというと、JALを除いた世界中の多くの航空会社が追加料金無しで預かってくれるサイズが、157センチ以内か158センチ以内となっているからです。

すなわち世界中の航空会社に対応した大きさということで、今では世界中のメーカーの製品が157センチ以内で造られているのです。※一部例外的に大きなモデルも有ります。

縦横奥比にもよりますが、157センチピッタリで作ると、概ね90リットルから100リットル前後の容量になります。これを世間では特大スーツケースと呼ぶことが多いようです。

157センチを超えることは出来ないため、各社の各モデルで一番大きなものは必然的にこのサイズのなります。

どういったデメリットがあるのか

それではこの特大と呼ばれる大きさにはどのようなデメリットが有るのでしょうか。

小さくて荷物が入りきらなくて困ることはあるものの、大きくてスカスカで困るような事はないように思いがちですが、この大きいというのは結構なクセモノです。

まず、圧倒的に移動の邪魔になります。100リットルもある旅行カバンはとにかくデカイです。

店頭で見てこれくらいならなんとかなるかなと感じても、実際に旅行中ずっと傍らに有ると予想以上に負担になります。

短距離引いて周るだけなら大した負担に感じなくても、連日長い距離を引っ張っていると結構な負担を感じます。

また、キャスター4輪で転がしている分には問題ありませんが、階段や段差、石畳の道など、意外と快適に移動できない場所は多くあります。

全てキャスターで移動できる環境ではないということは念頭に入れておきましょう。

そして、混雑した公共交通機関では非常に邪魔になるということも心配されます。空港まで電車などで向かう場合、混んでいると大型のスーツケースは大変邪魔になります。

絶対にオススメできない理由とは

しかし邪魔や負担になるだけでは、絶対にビッグなスーツケースがおすすめできないとまでは言えません。

最大サイズのキャリーバッグを絶対にオススメできない理由は、ズバリ壊れやすいからです。

同じメーカー同じモデルであっても、大きい物ほど壊れ易くなります。同一モデルでも、50リットルより70リットルのほうが、70リットルよりも90リットルの方が壊れやすいのです。

かばんの修理業などをやっていると、送られて来る破損したスーツケースはほとんどがビッグなものです。まあこれは、売れているサイズが大きい物に集中しているということもありますが。

また、レンタルで同じモデルの色々な大きなのものを貸し出していると、どう考えても大きい物ほど破損率が上がります。特に一番大きな157センチの100リットル前後のものは圧倒的に壊れます。

理由は明白で、同じモデルであれば大きさが違っても、キャスターなどは共通のパーツを採用しています。同じキャスターで支えるものが2倍になれば、壊れやすくなるのは当然です。

もっともパーツ類は最近は頑丈になってきているのでほとんど壊れませんが、問題は一番大事なボディの破損です。

今やハードケースの破損箇所は圧倒的にボディが多くなっています。昔はキャスターが飛んだとか、フレームが歪んだとかが多かったのですが、今は圧倒的にポリカーボネート樹脂のボディに亀裂が入るケースが多いのです。

そして最大サイズに亀裂が入るケースが最も多い。その理由は簡単で、今や同じモデルであれば大きさが異なっても全部同じ厚みのポリカ板を形成してボディを作っているのです。

つまり、50リットルのものも100リットルのものも同じボディの肉厚しかありません。それでいて2倍の重さがかかるのですから壊れ易くないわけがありません。

海外の空港で投げられて壊されたくないのなら、とにかく重量が重要です。軽ければ軽いほど破損率は下がります。逆に重いと壊してくださいと言っているようなものです。

100リットルの大型にみっちりに荷物を詰めれば、20キロ超えは当たり前です。

オーバーウェイトの基準は航空会社によってまちまちですが、概ね20キロ台前半がリミットです。これを超えればスーツケースが壊れる確率は格段に上がると思ったほうが懸命です。

何も20キロとは言わず軽ければ軽いほど安全です。スーツケースが小さくて、中の荷物が少なく軽いほど破損の危機から遠ざかるのです。

その点、157センチぎりぎりで作られた100リット近い超大型のキャリーバッグは最低で、容量が大きいのをいいことに要らないものまで詰めてしまいがちです。

隙間があればあれもこれも持って行きたくなるのが人の性で、皮肉なことに容量が大きければ大きいほど要らない余計な荷物が増えるのです。

ということで、大きなサイズのものを購入すると、ついつい本来必要な量より荷物が増え、スーツケース+荷物の総重量が増え、破損確率が飛躍的に高まってしますのです。

繰り返しますが、レンタルで同じモデルを貸し出していて、”圧倒的に”一番壊れて返って来るのは一番ビッグなものです。

本当に100リットルもの容量が必要なのかよく考えてみてください。私は自分では絶対に100リットルなんて大きさは購入しません。どんなに大きくても70リットル前後にとどめます。

しかし、70リットルでは家族全員の荷物が入らないというご意見もあるでしょう。そもそも家族全員分の荷物を一つのかばんに入れるというのが、誤った発想です。

大人は1人1つが大原則です。複数人の荷物を大きなトランクケースにまとめてしまおうと考えると、とんでもない重量になりあっという間に壊れてしまう恐れがあります。

怪我で持てない、小さな子供を連れているので大人一人の手を空けておく必要があるなど、特殊な場合を除けば人数分のスーツケースを用意する必要があります。

ただ、子供の分の荷物は親の鞄に入れましょう。子供がキャスター付きカバンを引くのは危険です。

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