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フレームハードケースで1万円以下だとまともな製品がない
激安で購入したらならファスナーハードがおすすめ

1万円以下のスーツケースでおすすめのモデルは

旅行カバンで一番売れ筋の価格帯といえば、量販店では1万円台の商品ですが、ネットショップではやはり7800円や9800円などの激安価格帯の商品になります。

私は前々から、フレームタイプのハードケースを購入するなら2万円台~3万円台の有名メーカー製を購入するべきだと言ってきましたが、近年の両量化の行き過ぎに依る寿命の縮みを考えると、1万円台で少し安い有名メーカー製を購入して壊れたら買い直すというのが一番賢いと思うようになってきました。

高い商品でも壊れるときは壊れるので、1万円台のリーズナブルな商品を選んでおいて、壊れたら買い直すようにすればいいのです。

しかし、そうは言っても超激安品はおすすめしていません。まともな品質の製品を望むなら、フレームハードケースで1万円以下は厳しいのです。

少し前まで数千円のフレームハードケースもネットショプでは色々ありましたが、この2年ほどの円安でメーカーの調達価格が1.5倍になってしまったため、1万円以下では非常に厳しいのです。

ショップブランドでネットで直売しているようなお店でも、数千円の商品では1本売って1000円,2000円の粗利なんて世界ではないでしょうか。経費を考えたらほぼ利益がない客寄せ商品です。

そういった訳でフレームハードケースを1万円以下で売るのは年々厳しくなってきていて、ネットショプでも非常に少なくなってきました。

そういったわけで、格安で旅行カバンを調達しようとするとファスナータイプが第一候補になります。輸入業者の方いわく、フレームハードケースは金属のフレームの部分が非常に高価なのだそうです。同じハードでもファスナータイプであれば原価がずいぶん安くなるそうです。

ということでファスナーハードであれば、今日でも数千円で十分な性能の商品を購入することが出来るのです。同じファスナータイプでも、ソフトタイプのキャリーバッグは、縫製など手間がかかるためかえって高くなっていて1万円以下の商品はなかなかありません。

安くスーツケースを購入しようと思ったら、ファスナーハードケースが第一候補となります。もちろんフレームハードで1万円以下の製品も今日でも売っていますが、質を考えるとあまりオススメできません。質の悪いフレームハードよりも、まともなファスナーハードのほうが頑丈です。

スーツケースの値段と原価

では、なぜ1万円以下の商品を狙うならファスナーハードなのでしょうか。それにはキャリーケースの原価が関わっています。

今から5年ほど前、私の働いていた鞄屋が海外の鞄工場から直接ショップブランドのスーツケースを仕入れた際、フレームハードケース1本の原価は3000円ほどでした。これは何千本という数を一気に仕入れた時の価格です。

これは低級工場に制作を依頼した際のコストで、有名工場に依頼すれば5000円を下回ることはないでしょう。さらに中国は年々人件費がうなぎのぼりで、現在の大幅な円安も考慮すれば今では5000円以下でスーツケースを仕入れることは不可能でしょう。

世界的なメーカーが生産委託している工場ともなれば、1本5000円を大きく超える原価が当たり前の世界でしょう。となると、メーカーの経費や利益を考えると、メーカーが小売店に卸す値段は1万円程度になるのです。

ここに小売店の経費と利益が乗るわけですから1万円以下で販売できるわけがないのです。現在フレームハードを激安で販売しているのは、工場から直接仕入れたショップブランドの製品です。

直接仕入れであったとしても上級の工場に製造委託するのはコスト的に難しいので、品質はお察しということになるわけです。これが数千円でなかなかまともなフレームハードがない理由です。

一方、ファスナーハードであれば製造コストが安いため、数千円でも何とかそこそこの品質の製品もあるのです。(まあ、それでもあともう少し出しておいたほうがより良い製品を手にできますが。)

ということで品質の高い製品を1万円以下で手に入れようと思ったら、コスト構造上、ファスナーハードしか選択肢がないのです。

もっとも、格安品を望む方は、はなから使い捨てと割りきっている人も多いでしょうから、割りきって激安のフレームハードを買うのも手ではあります。運が良ければ10回程度保つかもしれません。大抵2,3回の使用でどこかしら壊れますが。

これが激安旅行カバンのおすすめモデルだ

安い商品はおすすめしていないのですが、どうしてもという方におすすめの商品をご紹介いたします。


フレーム部分は原価が高く、安く作ろうとすると他の部分にしわ寄せが行くため、激安品ならファスナーモデルのほうがおすすめです。こちらは割安な価格ですが、容量を拡大できるエキスパンダブル機構や大型ダブルキャスターを備えた意欲的な商品です。ファスナーにしてはやや重めに感じるかもしれませんが、これはポリカーボネート100%ではなくABSとの複合板であるためです。安い製品はポリカ100だと質の悪い中国の化学メーカーのポリカが使われるため、軽くても非常に割れやすいのです。少し重くてもABSとの複合板の方がおすすめです。軽いものを望むなら、もう少し上の価格帯の商品にする必要があります。

●格安ながら大型ダブルキャスターやエキスパンダブル機構を備える
●余計な部分にコストを掛けていない分、安いなりに基本性能を重視した質実剛健な造り


製品原価自体が年々上がっている中でフレームタイプがこの値段はかなり頑張っているでしょう。実際儲けは非常に薄いと思います。トントン覚悟レベルの客寄せ商品ですね。
細かい作りの良さまで求める人はこんな安い値段のものを購入するべきではありません。使い捨て感覚で使う人のみが購入スべき価格帯です。この値段でこれだけのものが購入できれば大満足でしょう。変なノーブランド品や、ネットのショップブランドの安物を買うよりもよほど良いです。

●大手メーカー シフレ製のフレームハードケースが1万円以下で購入できるのはお得


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