スーツケースのボディーの素材の樹脂について
現代のハードタイプのスーツケースのボディはほとんどのものが樹脂でできています。
ポリカーボネートやABSなどの樹脂を複合的に組み合わせることで、高い強度と軽量性を実現しています。
同じポリカーボネート100%と表示されているキャリーでも、メーカーや商品グレードによって雲泥の違いがあるので注意が必要です。
同じ樹脂素材でも、素材メーカーによって強度に驚くほどの違いがあるんですよね。
キャリーバッグのボディーの素材は
ボディーには実に多くの素材が使われています。
旅行カバンは大きく分けてハードケースとソフトケースに分かれますが、当サイトではハードを前提に解説しているので、ソフトは除外します。
ハードタイプは、プラスチックの樹脂でボディーが形成されています。
よく使われているのがABSとポリカーボネートです。どちらも耐衝撃性に優れた樹脂です。
従来はABSが主流でしたが、最近は更に衝撃に強いポリカーボネートが増えてきています。両者を組み合わせて複合形成されたものもあります。
一般的にポリカーボネートの方が優れていて高価ですので、高価なモデルに使われていることが多いようです。
丈夫な素材は重量にも重要
平均的なABSよりも、ポリカーボネートの方が、密度が若干高いため、わずかに重いのですが、強度がその差以上に高いため同一重量ではより頑丈です。
したがって、同一重量では、より薄く軽いスーツケースを作れるのです。
ポリカーボネートは非常に強度が高く薄くても丈夫なため、ポリカ100のスーツケースは薄いペコペコしたボディが多いのですが、素材自体が頑丈なので問題ありません。薄い分重量が軽く軽量性に優れたモデルになります。
このペコペコ感が嫌いな方は、分厚く固いABSのスーツケースを選びましょう。ただし、重量は重いものが多いですが。
ただ、あまりにも限界を超えて薄く、あまりにもペコペコなものは、一昔前のABSの厚いボディよりは強度に劣ります。
また、安物でペコペコのものは強度に問題があるのでおすすめできません。ペコペコしていても丈夫なのは、ある程度高価なポリカ100のスーツケースです。
ボディの肉厚が重要で、ポリカ100の超軽量モデルですと極薄ボディのものが多いですが、厚いABSよりも明らかに割れやすいので注意です。
同じポリカーボネート100%でも雲泥の差がある
昨今は安物のスーツケースでもポリカ100のモデルが多くなってきています。
そうなると、高い一流メーカー製でも、激安品でも同じなのではないのかと思いがちですが、全然違います。
同じポリカ100でも、実際の性能には月とスッポンほども違いがあります。
まず、一流メーカー製は独バイエル社や帝人化成など日米欧の有名素材メーカーの樹脂を使用しています。
一方の激安品は中国の化学メーカーなど質の劣るものを使っているのです。
安い商品は、さらに真空形成後にトリミングした端材を再度溶かして何度も使用したりするため、不純物が入り強度が落ちたりするわけです。
さらにペレットからシートを作る機械も中国の機械メーカー製だったりすると、均一な厚みにならなかったりして強度が落ちます。
表記だけ見れば同じようなポリカーボネート100%ですが、その実情はぜんぜん違うものなのです。品質が保証された一流メーカー製をおすすめするのはそういったわけです。