このページのポイント

実際の頑丈さは使い込まないと分からないので見ただけでは分からない
有名メーカー製であればキャスターなどのパーツ類は非常に頑丈
ボディは軽量化競争で割れやすくなっているので厚いものを選ぼう

頑丈で壊れにくいスーツケースのランキング

スーツケースを選ぶ際に重視する必要があるポイントとしては、頑丈であることと軽量であることが重要になります。決してデザインや見た目を重視して選んではいけません。

キャリーバッグなど海外旅行に使う旅行カバンは破損と隣合わせなのです。航空会社に預けて海外の空港で積み降ろしの際に乱暴に扱われて破損するケースは想像よりも多いのです。

軽量であることも重要ですが、頑丈であることが旅行カバンとして最も求められている機能なのです。

それでは、どのメーカーのどのモデルが一番頑丈なのかということになりますが、これはなかなか難しい質問です。実際に使い込んでみないとなかなか分からないのが現実です。

私は長年スーツケースに関わる仕事をしてきて、レンタルや修理の部門で働いてきたこともあり、様々なメーカーやモデルを見てきましたが、一概におすすめできるメーカーやモデルが有るわけではありません。

というのも、有名メーカー製であっても1フライトで破損させられてしまうケースも実際に何度も目にしてきましたし、ノーブランド品でも100フライトに耐えたケースも多々あります。破損は運次第というのが現実なのです。いくら高価で頑丈な有名メーカー製であっても、限界を超える衝撃を受けてはひとたまりもありません。逆に脆い安物でも、運良くひどい扱いを受けなければ長持ちすることもあるのです。

ただ、これは個々のケースで見た時の話であり、全体として統計を取ると、やはり有名メーカー製のほうが破損する確率が遥かに低いことがわかります。安物のノーブランド品と比べると、しっかりしたメーカーの製品は明らかに壊れにくいという結果が出ています。

したがって、長く使いたいと思うなら有名メーカー製のスーツケースを選んでおいたほうが無難なのです。安物のノーブランド品は壊れることを覚悟で購入するべきです。

では、おすすめのモデルはどれですかと聞かれそうですが、なかなか個別のモデルをおすすめとしてランキングで表すことは難しいのです。前述の通り、どのメーカーのどのモデルが頑丈であるかは、実際にそれぞれのモデルを数十回ずつ使い込んでみないとわからないのです。しかも、運による要素も入るためブレを無くすために1モデル5本ずつくらい使い込んでみないと、本当に頑丈なモデルを見極めることは出来ません。

ということで、どれが一番壊れにくい丈夫なモデルなのかを知る人はいないでしょう。近年はどのメーカーもかなり近い品質になってきていますので、ある程度の大手メーカーであればどこも変わらないのが現状です。ただ、たまに有名メーカーでも失敗作のモデルが出てしまうこともあるので絶対ではありません。逆に無名のノーブランド品や格安品は、ほぼ例外なく脆いのでおすすめできません。

有名メーカー製であればパーツ類の強度は心配ない

有名メーカー製であれば、水準以上の頑丈さが担保されているので安心であると述べましたが、本当に近年のスーツケースの強度の向上は素晴らしいもので、特にキャスターなどのパーツ類の高耐久性には目をみはるものがあります。

2000年代前半までは有名メーカー製であっても驚くほど壊れやすいキャスターなどがあり、衝撃を受けなくても使っていると摩耗してきてすり減ってしまうものも少なくありませんでした。

やがて革命的な高強度のHINOMOTOのグリスパックキャスターが登場すると、キャスター自体が破損するケースは激減しました。今日ではHINOMOTO製ではないキャスターでも、破損や摩耗が少なくなり全く心配する必要が無いものがほとんどです。有名メーカー製についているキャスターであれば、破損確率は極めて少なくなっています。
ただ、激安品のノーブランドですと、いまだにショボいキャスターがついているものもあります。

キャスターだけではなく、取っ手や伸縮式のキャリーハンドルやロックシステムなどの各パーツも飛躍的に頑丈になり、昔に比べるとトラブルは大きく減っています。

今でも破損することがないわけではありませんが、しっかりしたメーカーのものを買っておけば、まず心配することはありません。

重要なことはボディが丈夫で割れないこと

それでは、どの部分に注意する必要があるのかというと、ボディになります。今日ではほとんどのモデルでポリカーボネート樹脂で作られているボディの強度が一番ネックになってくるのです。

2000年代後半になりキャスターなどのパーツ類の強度が飛躍的に高まってくると、今度は軽量性の追求に各メーカーの関心が向くようになりました。強度や品質や機能が横並びになる中、軽量性を競って新製品が投入されるようになります。

ABS樹脂主体であったハードケースのボディは、ポリカーボネート100%で作られるようになってきます。ポリカはABSよりもさらに耐衝撃性に優れた樹脂なのですが、頑丈であるため各メーカーはどんどん肉厚を削って非常に薄いボディを追求してきました。

その結果、ハードケースでありながらペコペコしたボディの製品が主流になり、10年前と比べると同じサイズでありながら重量は2/3になりました。この間、ボディの肉厚が削られ、非常に薄いモデルが今の大手メーカー品の主流です。

私に言わせれば今の薄さは限界を超えています。昔の分厚いABSのボディだった頃と比べても、明らかに割れやすくなっています。有名メーカーのフラッグシップモデルであれば、昔は平均30回~40回の渡航、つまりは100フライトくらいは余裕で保ちました。※もちろん平均ですので、1フライトで壊れることもあれば、200フライト保つケースもあります。

それが今では、20渡航~30渡航くらいしか保たず、平均でも100フライトこなせないモデルも珍しくありません。もっとも個人がそんな回数海外に行くのかという問題もあり、あまり回数を使わないことを見越してメーカーも軽量性を重視しているのかもしれません。

ただ、有名メーカー製であり日本や欧米の一流化学メーカーのポリカを採用しているモデルであれば、やはり分厚いほうが長持ちするのは事実です。したがって頑丈なモデルを希望する場合は、変に超軽量モデルではなく肉厚のしっかりしたモデルを選ぶ必要があります。

手で押してみて分厚くあまりペコペコしないモデルであることが重要です。紙みたいに薄いモデルは避けるべきです。本当にボディ厚が1ミリ無いモデルもあり、手で触ってみると薄さに驚かされます。

ただ、安物になると話は別で、いくら分厚くても低品質ポリカーボネートを使っていると簡単に割れてしまいます。安物は値段なりということになります。

ある程度頑丈でリーズナブルなモデルのランキング

ということで、有名メーカー製でボディが厚くペコペコしないモデルが頑丈なスーツケースということになります。実際の売り場に赴いて自分の手で触ってみるのがおすすめです。

全部のメーカー全部のモデルを使ってみたわけではありませんので、ランキングで示すのは難しいのですが、私が実際にレンタルで何度も使ってみて水準以上の強度(平均で30渡航に耐える)を持つモデルを紹介します。

有名メーカー製で肉厚が同じならあまり強度は変わりませんので、有名メーカー製の中で安いモデルをおすすめしています。同じ様な強度なら安いほうがおすすめです。前述の通りどんなモデルでも、運次第で壊れる時は壊れるので、できるだけ安いものを買っておくのが吉です。ムダに高い製品はリスク大です。


第一位 エミネントプロ

世界的メーカーであるエミネントの商品です。国内メーカーの協和監修によるこの製品は、世界基準の品質のメーカー製としてはかなり安い値段でお買い得です。1万円台に収まっていてコスパ良し!消費税を入れるとLLサイズは1万円台から出てしまってますが、そもそもモデル問わず特大サイズはオススメできないので。

レンタルなどプロユース用に特注されたモデルで、強度や汚れ難さなどに配慮した作りになっています。世界最大手サムソナイトの製造も下請けとして請け負うエミネントの、世界最高レベルの工場で生産されています。
値段の割に良くできていて、強度的には2,3万円台の製品とほとんど変わりません。この値段では細かい作りの良さまでは求められませんが、この値段で高級品と変わらない耐久性という脅威のコスパが最大のポイントでしょう。昔の分厚いハードケースのように30回以上の渡航に耐えるのは難しいかもしれませんが、平均して20~30回程度なら耐えられる性能です。耐久性よりも軽量性重視の今、3万円以上の高級品でもそんなものです。このくらいの安い製品を買って、壊れたら買い直す方がコストパフォーマンスに優れます。

●高級品と変わらないレベルの耐久性の製品が1万円台から
●サムソナイトの製造も請け負う工場で製造されている
●高性能ポリカーボネート素材である帝人化成のパンライトを採用
●プロユースにも耐える汚れや傷が目立ちにくいエンボス仕様
●ボディの縦横比率を見直すことで、大きさの割に大容量


 トラスト フレーム

トラベリストブランドの商品です。しっかりしたメーカー製としてはかなり安い値段でお買い得です。値段の割に良くできていて、強度的には2,3万円台の製品とほとんど変わりません。ただ、2,3万円台の一流メーカー品と比べると細部の作りは少々安っぽいところはあります。細かいところが気になる方は、もう少し高い2,3万円代の一流メーカー品をオススメします。 ちなみにB級品を激安で販売している激安何でも屋のネットショップがあるので注意!この価格帯のクラスはメーカーが全量チェックしていないので、しっかりしたカバン専門店で買わないと、B級品が届く恐れあり。

●高級品と変わらないレベルの耐久性の製品が脅威の安さ!
●高性能ポリカーボネート素材である帝人化成のパンライトを採用
●ポリカーボネート素材100%の超軽量ボディ
●ボディの縦横比率を見直すことで、大きさの割に大容量


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