エース鞄の日本製スーツケースProteca(プロテカ)について
プロテカは日本最大手の鞄メーカーであるエース株式会社のトラベルバッグのブランドです。
エースのブランドは他にも、ace.、ワールドトラベラー、ジュエルナローズ、ハントなど様々なブランドで展開されています。
その数あるブランドの中でも、プロテカは最も高価なフラッグシップブランドです。
エース鞄というと日本製のスーツケースを頑なに作り続けているというイメージが有りますが、実は多くのモデルは中国の工場で製造されています。日本製なのはプロテカや、他のブランドの中の高価なモデルのみとなっています。
高価な日本製のモデル以外は至って普通で、他のメーカーも生産委託しているような中国の工場で製造されています。以前とある微妙な品質の鞄メーカーの方にお話を聞いたところ、うちはエースから製造委託されていると言っていました。このレベルの会社があのエースの下請けをやっているのかと驚きました。
また、エースのキャリーバッグを買って使ったところ1回で壊れたという方の話を聞いたことがあります。高価だったのに1回で壊れたのでサポートセンターに連絡したところ保証はないとあしらわれ、非常にがっかりしていました。
高性能なスーツケースでも運が悪ければ1回で破損させられることも珍しいことではないので、1例だけでメーカーの品質を論じることは出来ませんが、エースだからすべての製品が優れているわけではないのです。
その点、フラッグシップブランドであるプロテカは全てのモデルが北海道の赤平工場で製造される日本製であり、3年間の保証も付いているのです。値段は非常に高価ですが、お値段さえ除外して考えれば非常に素晴らしい性能のスーツケースとなっています。
プロテカは品質が素晴らしい
プロテカの最大の特徴は、国内の工場で生産が行われているという点です。世界的な大手メーカーを含め多くのメーカーは中国などの工場に生産委託しています。
中国の工場が悪いというわけではなく、先進国のメーカーが監修して中国工場で生産する分には品質の問題はありません。(ノーブランドの中国製スーツケースは相変わらずひどいものも多いですが)
ただ、世界的大手メーカーが企画して中国工場で製造したものでも、日本のモノ作りに比べるとだいぶ歩留まりが悪く、結構な割合で不良品が混じっています。企画した国内メーカーが品質チェックで弾いているので問題はないのですが、たまに見逃されてお客さんのところに届くことがあります。
また、パーツを取り付ける位置が少しずれていたり、使用する分には問題がないものの少し作りが荒かったりします。有名メーカー製でも作りの粗が目立つ個体もあります。このあたりは個体差が大きいですが。
その点、国内工場で製造されているプロテカはさすがの品質です。ただ、作りの良さはともかく、原材料は同じような化学メーカーのポリカーボネートなどを使い、同じようなパーツメーカーのパーツを使っているので、強度が中国製よりも大幅に勝るということもありません。
日本製≧中国製という感じで、強度自体は日本製が国内メーカー企画の中国製と比べて大幅に優っているというわけではないのです。
ほぼ無条件の3年保証が凄い
保証が厚いのもまた凄いところで、3年間の保証が付帯しています。スーツケースには保証が付いていないメーカーが多く、ショップが独自保証を付けて対応したりしているのが現状です。
リモワやサムソナイトなどの世界的に有名なメーカーは長期の保証が付いていたりしますが、これが実は実質的に保障が無いような使いものにならない内容なのです。
多くのショップ保証や、サムソナイトやリモワなどの保証とは違い、プロテカの保証は航空会社に預けて破損された場合などにも保証してもらえる、真の保証といえます。
破損の99%を占める航空会社に預けた時に起こる故障を保証しているのは、高い耐久性と品質に自信があるからでしょう。まあ高価なため保証できるという側面もありますが。
海外旅行に使うカバンの破損は切っても切れないものですので、ハードに使うヘビーユーザーほどこういった保証はありがたいものです。
買う価値はあるか
プロテカが素晴らしい製品であることを述べてきましたが、それでは手放しでおすすめできるのかというとなかなか難しいところです。
前述のとおり、日本製であるプロテカと、国内の一流メーカーが企画して中国で製造したものを比べると、耐久性に大きな差があるわけではないのです。
中国工場で製造するといっても、使う素材は日本やドイツなどの一流化学メーカーの樹脂を使い、加工する工作機械も日本の工作機械メーカーの装置が使われていたりします。
スーツケースの製造は、最終的にパーツを取り付けたりする組み立て以外は全て工作機械が全自動で行っています。(一部の工場ではフレーム曲げなども工員が手動でやっているところもあるそうですが)
したがって、ボディ強度などは中国製でも日本製でもあまり変わらないのが現状です。耐久性というよりも作りの良さが日本製のメリットでしょう。
となると、問題は耐久性が大きく違わないのに、大幅に高い日本製を選ぶのかどうかということです。プロテカは素晴らしい製品ですがはっきり言って非常に高いです。
日本のメーカーの製品で中国工場で製造されたものは2万円~3万円程度が多くなっていますが、日本製のプロテカは4,5万円します。お値段約2倍です。
いくら良いものとはいえ、同じような鞄が2倍の値段がするのは高すぎます。ましてや、十分な性能を持った良コスパのスーツケースは1万円台で購入できるのです。こうしたものと比べると3倍のお値段です。
そう考えると非常に高価で、なかなか積極的にお薦めできないところはあります。ましてやスーツケースという破損と隣り合わせの商品ですので、一定以上の水準の強度を満たしたものならなるべく安いもののほうが良いのです。
ということでプロテカをおすすめできるのは、使用頻度が多く3年間保証の恩恵に預かれるヘビーユーザーか、お財布に余裕があり値段を気にせずに少しでも良い物が欲しい富裕層ということになります。
どうしても日本製が欲しいということであれば、エースの他のブランドならもう少し安く購入できます。
おすすめモデル
数あるプロテカのモデルの中からおすすめのスーツケースをご紹介します。通常はファスナーハードよりもフレームハードのほうが高価な傾向にあるのですが、元々高価なブランドなのでフレームとファスナーの値段差がほとんどありません。フレームのほうがお得なのです。むしろファスナーのコスパが悪すぎるという見方もできますが。
フレームハードの中ではまだ安価なモデルです。下で紹介しているエキノックスライトαは、あまりに軽すぎて強度が心配なのと、あまりにも高すぎるので、こちらのレクトで十分な気がします。
●貴重なメイドインジャパン。大手メーカーで日本で作っているのはエースだけ。
●厚いフレームに割れにくいポリカーボネートのボディ
●体感音量を30%削減した4輪サイレントキャスターを搭載
いわずと知れた国内有名メーカーのフラッグシップモデルです。
このエース鞄というメーカーは2004年までサムソナイトをライセンス生産していたメーカーです。中国などの工場に生産委託するメーカーが多くを占める中、安価なモデルを除いて国内自社工場で生産を行っているメーカーです。
フラッグシップモデルではあるのですが、あまりにも高すぎるので破損したら怖いところではあります。また軽量性が行き過ぎな気もします。どうしても軽量なものを望むのでなければ、上で紹介したレクトで良い気がします。
●フレームタイプのハードケースとしては最高レベルの優れた軽量性
●貴重なメイドインジャパン。大手メーカーで日本で作っているのはエースだけ。
●体感音量を30%削減した4輪サイレントキャスターを搭載